離婚とそれに関連する問題

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離婚問題がもたらす精神的な不安定

離婚は、ほとんどの方にとって、大きな負担となります。心の内が配偶者に対する失望や非難などの、いわば負の感情で満たされることも致し方ないでしょう。他方で、離婚は住まい、家計、子育てなど生活の根本に大きな影響を与えるものですから、底知れない不安もあるはずです。
そのため、離婚に直面している方は、精神的にとても不安定になっていて、正常な精神状態から程遠い状態にあることが多いです。
精神的に不安定になっている方がどういう行動をとるかについては、一概にこうと言うことはできません。千差万別でしょう。ですが、1つ確実なこととして言えるのは、そういう状態の下で正常な判断をすることはとても困難だということです。

離婚にまつわる様々な法的問題

また、離婚に関しては、財産分与、慰謝料、親権、養育費等の多様な問題についての判断を避けることができません。突きつめて考えるのであれば、これらの問題には専門的な知識を必要とする部分が多くあります。幸い、今はインターネット上に非常に多くの情報が掲載されています。当事務所に来られる方も、事前にそうしたサイトをご覧になっている方が多いです。それでもなお、「こういう要求は通るんでしょうか?」、「こんなことを求めてもいいんでしょうか?」といった質問をされることがよくあります。情報はあれど、判断にはやはり困難さが残るのだと考えられます。

複雑な人間関係

さらに、配偶者や親族との関係が離婚に関する話合いに影響を与えることもあります。たとえば、普段から配偶者に対して自分の意見を余り伝えてこなかった方は、離婚についての意見を伝えることにためらいを感じるかもしれません。配偶者から預貯金、保険などについての情報をもらうことができず、離婚の条件について判断のしようがないという問題もあるかもしれません。配偶者の親族が怖い、自分の親族が好き勝手に意見を言うのでどうしたらいいか分からない、といった悩みもあるかもしれません。

離婚に関して話し合うことの困難さ

このように、離婚に直面している方は、複雑な関係性の中にあって、精神的に非常に不安定な状態で、財産分与、慰謝料、親権、養育費などの多様な問題について考え、話し合わなければなりません。そのため、たとえば、ストレス状態から早く抜け出したいがために、何も要望を示さなかったり、配偶者の要望を無条件で受け入れたりするということがあります。また、感情が高ぶってしまって、配偶者と話し合うことすらできないということもあります。
離婚の条件について判断すること、配偶者と話し合うことは非常に難しいことです。もちろん、できる方はいます。そうした方には、当事務所のサポートは不要でしょう。けれども、そうでない方は、当事務所のサポートにより、その負担のかなりの部分が軽減されるでしょう。

離婚に関する法的問題

財産分与
原則として、結婚している間に形成された夫婦の財産が分与の対象です。ただ、別居している場合は別居時点までの財産が分与の対象とするのが通常です。
慰謝料
配偶者が不法行為を行っていた場合は、慰謝料請求をすることができます。典型例は浮気です。
親権
夫婦間に子どもがいる場合は、離婚に際して、親権者を定める必要があります。親権には、監護教育権、居所指定権、財産管理権などが含まれます。
なお、監護権者を親権者でない人にする場合もあります。
※監護権は、財産管理権以外の権限だと考えられています。たとえば、子どもの世話をする権限、子どもが住むところを決める権限、子どもに教育を行う権限などです。
養育費
子どもの養育を行っている親は、他方の親に一定の費用を請求することができます。

(文責:弁護士 前原 雅也)

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